2025.08.29 Friday

算数・数学でイメージを描くことの大切さ(その2))

 先日、算数・数学でイメージを描くことの大切さを述べました。

 具体的な例を挙げましょう。

 「羊が1匹、羊が2匹・・・・」
これは、眠れないときに数えると良い
とよく言われます。

 いま目をつぶってやってみてください。

・・・・・・

 やってみてあなたは実際に「羊を思い浮かべましたか」
実は数字を思っただけではないですか。

では、実際に羊を頭の中で思い浮かべていってください。

・・・・・・

実際に思い浮かべると、意外と難しいことに気が付くでしょう。

7匹、8匹・・・となったときに具体的に羊を頭の中でまっすぐに並べるイメージは難しくなります。
そして数が4,5,6となるあたりで、頭では四角く折り返して並べることを始めているでしょう。

 この例で分かるように、抽象的な文字の数ではなく、具体的なイメージで「数を数える」ことを始めると「折り返して並べる」ことが、数えるには便利だということが分かります。

 このことがイメージをあたえる例です。

 そして、例えばたくさんあるビー玉やキャラメルなどを数えると、長方形に四角く並べられる数と、どうしても長方形に並べられない数があることに気が付きます。

 その並べられない数こそが「素数」で、並べられる数は「約数」であることが、たやすくわかります。

 因数分解は「四角く並べること」と以前に書いたのはこのことです。

 合わせて、公倍数や公約数などの概念のイメージを与えることも、数を四角く並べることのイメージで教えることができます。

 普段教室で教えられる方法は、数を文字としてのイメージしか与えられていないことに、教える側は意識を置いていて、子供たちの疑問を引き出し、イメージを与える方法を用意しておくことが大切なのです。

2025.07.28 Monday

算数・数学で大切なことは、イメージを持たせること(その2)

 小学校、中学校、高校を通して、算数や数学を苦手にしたり、嫌いになったりするのは、教え方の問題である。
 もちろんどの教科にも言えることだが、他の教科は数学分野と比べると、日常生活との距離が近い。
 その点で、算数数学分野は、より具体的なイメージを、教える経過の中で子供たちに持たせることが必要である。

 教員(塾の先生を含めて)は、教育方法論をかなり深く学び研究しておかねばならないが、教育学科以外では、この科目の単位も少なく、教育実習期間も2週間と短い。

 ここ数十年文科省は、大学の教育学科を減らし、教科内容も妙な改変を行っている。

 例を挙げると、小学校で鶴亀算などの代わりに、文字を使う代数(一次方程式など)を取り入れたり、電卓を導入したりしている。
つまりは、深く考えるということよりも、たやすい操作を取り入れている。

 これらはいわゆる専門家の教科審議会の意見を取り入れているのだが、これら専門家の中で実際に小学校や中学校で教えたことがある学者はどのくらいいるのか、はなはだ疑問である。

 これらのことが、ますますイメージを遠ざけていることになる。

 算数数学は、他の教科よりもはるかに小学校から高校を経て研究者の数学まで内容が連なっている。


 小学校の因数分解は、中学高校での因数分解と同じイメージである。

 詳しい説明は後に譲るが、イメージは、「ばらばらのものを四角に並べる。」である。
 並べられたら、因数分解が可能だし、並べることができなければ、因数分解はできない。

 このイメージを具体的に説明できる教員はどのくらいいるだろう。

 親の方たちはいちど学校の先生、塾の先生に聞いてみてほしい。

 
 つづく・・・・・・・・・


 

2025.07.26 Saturday

算数・数学で大切なことは、イメージを持たせること

 算数で、早い時期に学ぶ足し算の繰り上がり、繰り下がり、(具体的に言えば足し算で一つの位が合わせて十を超える問題と、引き算で一つの位で引く数がひかれる数より大きくてその一つ上の位から10を借りてくること)の苦手な子供がいます。

 なぜ苦手になったかというと、その子供たちは、数字を文字としか見ていないのです。さらに言えば教えた人が、具体的なイメージを持たせていなかったということです。

 引き算の繰り下がりの例で言うと、例えば「15−8はいくら。」という問題で、教える人がお金15円持っていて8円のものを買ったとか、箱の中にミカンがあって、8個取り出したとかの具体例をたくさん示さないで、単なる操作として、

 15は10たす5、5からは引けないので、10借りてきて8を引くと2、残している5と合わせて7

 くらいのことしか説明していない。


 お金で言えば具体的なイメージ「10円玉と1円5枚」というイメージがあります。
10円玉で8円払うとおつりが2円、使っていない5円と合わせて、手元に7円残る。

 頭の中に、10円玉や1円玉または5円玉のイメージが残ります。


 箱の中のミカンの例でいうと、また違ったイメージです。
15個あって、8個撮るのですが、あといくつとったら10個取ることになるかなを考えさせる。

 理由は数(の記法は十進法)だから、10を意識づけるためです。

 あと二個とこたえたら、箱に何個残るか感がwさせると5つという答えは、易しく見つかる。
 じゃあ15個から8個取ったら、いくつ残るのかな、と尋ねる。

 同じ繰り下がりでも、いくつかのイメージがあるのです。

イメージができたら、操作法の説明に移れば、栗さアリはできるようになります。

 3桁の引き算であれ、4桁の引き算であれ、各位でこの操作法を繰り返せばいいのですから、まずは2桁から1桁の引き算のイメージを作ることに、時間をかけることです。


 算数、数学では、子供たちに具体的なイメージを作ることが非常に重要です。

 いま、タブレットが導入され、計算などの操作はしやすく、操作のスピードも速くなっていますが、それで回答ができて理解できていると思うのは、間違いです。

 タブレット(コンピューター)を遣って効果の出る場面と、板書(黒板に書くこと)や掲示物のそれぞれの利点(特性)を理解していることが、教える人には大切なのです。

 学校の授業と塾に行っているため、かえってそれが抜け落ちていて、子供の理解が進まないということもありうるのです。





2020.05.05 Tuesday

「繰り上がり」ってなぁに。

「お父さん、繰り上がりってなあに。」
「もう学校で習ったのかい。」
「そう、習ったけれどよくわかんない。」
「それはね、数の数え方とつながりがあるんだよ。
 正子ちゃんは、数は数えられるよね。」
「うん大丈夫。今年のふゆには500までお風呂でお母さんと一緒に 数えたよ。」

「じゃあ数字も習って読めるよね。
 386は何て読むのかな。」
「さんびゃく、はちじゅう、ろくだよ。
 先頭の3はひゃくがみっつだからさんびゃく。」
「そうだね。二つめの8はじゅうがやっつだからはちじゅう
 だよね。
 じゃあ、ひゃくってなにかな。」
right
「ひゃくは、じゅうがじゅっこあるんだよ。
 じゅうはいちがじゅっこだし・・・」
「そのとおり、よく知っているね。
 ではどうしてじゅっこずつまとめるのかという話を
 してあげよう。
 くりあがりがわかるためにたいせつなことが、じゅっこで
 まとめるということがもとになっているからね。」

(つづく)

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